◇ ◇ ◇ 放課後。 時間が過ぎるのは、すごく速かった。 そう感じただけかもしれないけど、ものすごく速かった。 どうしよう、どうしよう。 そう不安に思う気持ちでいっぱいで、きっとそう感じたんだと思う。 「もう、4時半だ……」 近くにあった時計を見て、そう確かめる。 まだ、かな。 そう思い、髪を手で梳(と)かしていたときだった。 「相田さん?」