「ぱぱ……」
結局今日も学校を休んだ夏来が、測っていた体温計を右手に持って俺を呼んだ。
「測れた?」
「うん…」
「なんて書いてある?」
「37てん7って書いてある…」
「うわ、結構高かったね」
寝室からリビングに行くと、体温計を差し出してきた。
「ほんとだ。夏来一緒に病院来る?」
「ううん」
「胸がひゅーひゅーしてるでしょ?病院でお薬もらって帰ってこようよ」
「……」
散々"病院に行かない"と言って拒んできた誰かさんを見てきたからなぁ…。
「熱も下がったら学校行けるようになるよ」
「…もしもしする?」
「うーん…する。病院行ったらママ喜ぶんじゃない?」
「…行く」