時折、生きていることが苦痛でたまらなくなる。
「・・・」

家に帰ると、見たことのない女物の靴。
2階から微かに聞こえるベッドの軋む音。
見知らぬ靴の横には、見慣れた黒の革靴。
「またか」
そう、1人呟いて履き古したローファーを端っこに揃える。

階段を登るにつれ、大きくなる喘ぎ声にはもう慣れていて、何てこと無く通りすぎる。