実花がなしのんと合コンに行ったあとの桃也と稔の会話





「い、行っちゃったね、桃にぃ」


「、ほんっとに……」



ん?と俺は首を傾げたけど、桃にぃはそれに気づかなかったのか、顔を覆って盛大なため息をこぼした。



「……ねぇ稔」


「うん?なぁに?」


「ハナみたいに鈍感なの、どうやったら育つの」


「あー、うん。ほんとに……」



姉ちゃん自分のことに関しては無頓着だからなー、と思わず苦笑した。



「あー食べたい。あんな周りを誘惑するような格好してさ、そんなにハナは食べられたいわけ?俺じゃない他の男に?はっ……昨日マジで喰っちゃえばよかった」


「や、さすがにここではやめてよ」



実の姉のあられもない声とか聞きたくないし。


てゆーか桃にぃ、黒い部分出てる。ちょっとどころじゃなく普通に怖い。



「で、どうするの?」


「何が?」


「何がって、姉ちゃんの合コンに決まってるじゃん」



桃にぃが姉ちゃんのことをどれだけ見てたかってことは知ってる。むしろ気づかない姉ちゃんに呆れて気づかれない桃にぃは不憫に思ってるし。