「ほんっとに、懲りないわよねー柚木は。」
時は変わってお昼休み
屋上で食べたり、学食へ行く者もいるが、
柚木を含め、お弁当組もちらほらいる。
呆れながらそう言ってきたのは、クラス
メイトでよいお友達の田代。
通称‘タァコ’
明るくて、元気で、女子の中でも男子より。
付き合いやすいタイプだ。
「最近はしょっちゅうよねぇ
なんとかできないもんなの〜??笑」
怒る、というより笑ってしまっている
垣内。
通称‘ウッチー’
陸上部に所属。
さっぱりショートの黒髪でなんだか凛々しいが、何だかんだ優しい。
「でも、なんか千晶ちゃんも優しいわよねぇっ!」
ふわふわの髪をかぜになびかせながら嬉しそうに言う、桜庭。
通称‘桜’
この三人娘の中では一番女の子っぽい。
ふわふわで、でも間抜け。
よく転ぶが、やる時はやる。
『優しいって…どこ見たらそうなるのかなぁ…??』
今日も窓際の席を囲んでランチタイム。
「…どうでもいいが…
…なぜ毎回俺の弁当を囲んでるんだよ、
お前ら!」
そしてもう一人、忘れちゃいけない。
稲葉夕士。
とくに印象はない。←
なにせコイツの弁当はいつ見ても素晴らしい。美しい。
「だって〜!稲葉と柚木のお弁当って、
いつ見ても綺麗だし!美味しいし!」
そう。
柚木と夕士は同じアパートで暮らしている。
アパートの賄いさんが、
毎日愛をこめて、二人のお弁当を
作ってくれているわけである。