パタパタパタと小鳥のような小さい小さい足音がいくつも聞こえる、、、、。
泡路は頭の中で思っていた
泡路(鳥、、、、鳥食いてぇ、、、、)
ボソボソボソ、、、、
泡路(くすぐったい声だ、、、、)
そんな事を考えていたら突然

バシッ!!!
バシッ!!!

何とも言えない痛みが泡路を襲い、思わず目をかっ開いた。
泡路(いっ!たぁあ!)
それと同時にガバッと体を起こすと、そこには小さな男の子が体の割りには大きい枝を持って泡路の顔を覗いていた。

泡路(えーーっと、お前さんは誰だ?、、、、あ、えっ、ちょと、ちょと待て、バシッ!!!てやったのは!?!)
泡路は思いの外痛かったのか少し目が潤みつつその男の子に話しかけた。

男の子(、、、、、、、、。)

反応が薄い

泡路(、、、、うーん。だからね?君が??)

男の子(、、、、)

間に耐えられん、、、、。

何よりも会話が成立しなさそうだ。
そう考えた瞬間だった。
また

バシッ!!!バシッ!!!

と痛みが来る。

泡路(や、やっぱりお前か!バシッ!!!てしてるのはー!!親に習わなかったの?!人を叩いちゃ駄目て。、、、、あれ、それて親に習うもんか?)
そんな事を自分で言いつつ首を傾げる泡路を硝子玉のような瞳が見つめていた。

自分で放った言葉に悩んでいると男の子が近くに寄ってきた。

男の子(、、、、パクパク(唇を動かす仕草))

泡路(ん?)

男の子(パクパク、、、、。)

泡路(お前あれか、※(音色)を忘れちゃた?)

男の子(パクパク、、、、)
※音色とは泡路から見た声の事。

泡路(どうやらそれっぽいね~、、、どーしましょかねー、、、、)ちょと面倒臭いなぁと頭をガシガシかきながら辺りをキョロキョロしてみる。
さっきまで居た場所とは違っていた。
とても涼しい風が吹く木の根本、、、、、、、、。

男の子(、、、、、、、、パクパク)

泡路は、やっと察した。

泡路(えーっと、ここまで運んでくれたの??)

男の子(パクパク、、、、)


泡路(※音色が無いとちとわかんねーな、、、、。)

男の子(、、、、、、、、パクッ、、、、)

泡路(※音色付けしてやるよ、一時的だけどな。)

と、そう言うと泡路はコルセットに付いている長い尖った針を3本選んで男の子に見せる。

泡路(音色を付けるのに、3本今からお前に打つ。痛みはそんなに無いと思うけど、必要ないなら音色付けはしないし。話したい事があるなら遠慮なくやらせてもらうけど?そもそも会話にならないから、此方からしてみれば打ちたいてーのが本心だけど。とりあえず選べ、右手を上にあげるなら打つ、左手を上にあげるなら打たないからさ。返事はそれでいい)

男の子は、、、、

バサッと手をあげた

泡路(、、、、、、、、。おい。)
引き笑いをする。
何故なら男の子は両手を上げたからだ。
泡路は、はぁぁ~と深く溜め息をした後

泡路(まぁいっか、音色付けしてやるよ。でも、忠告しとくわ。これはな、あくまでも※一時的なもので、完全にはならない音色だ。そこはわかってくれよな?お前は元々音色を持ってないんだから、、、、)

指先に3本の針を絡ませ呟く
泡路(ボソッ。配列、2の1。乱れ5の10。張の4。)

瞬間
小さな男の子の体は泡路の大きな手の中にあった。

泡路(さぁ。並べ、乱れ、張れ、音色。)
男の子は突然の事に目を丸くしている

泡路(ん?お前驚いてる?あ、すまん!すまん!でかい大人が急に動いたら吃驚するよな。うん、悪かった悪かった。)

ヘラヘラと笑いながら泡路は話続けた
泡路(お前の音色付けもう終わったからさー、とりあえずはってごらんなさんな??)

男の子(あ、、、、、あ?あ、、、、)

泡路(ふぅ~♪大成功~♪♪)
一瞬失敗したんじゃないか?
と思ってヒヤッとしたのは泡路だけだった。

男の子(、、、、音色。、、、、)
男の子は自分の発する音色に驚いてる様子で
泡路(うん、音色。付いてるでしょ~?)

男の子(音色、、、、)

泡路(そう、音色)

男の子(、、、、、、、、)

泡路(、、、、音色付けたんだから少しは喋んなよ?これはさっきも言ったけど一時的なんだからね。8時間、長くて一日で消える音色なんだからさ)


男の子は少し黙り
その後、泡路に向かって声を出した

男の子(音色、、、、音色ありがとう。)

泡路(いえいえ、音色付けないと話できねーと思った、、、、いや、なんでもない!はははは。)おっと危ない本音ポロリをするとこだった。

泡路(さてさて、話をする前に聞いていいかい?お前の名前は?)

男の子(、、、、しゅう。しゅう、、で、す。)

泡路(しゅう?ふーん、自分は泡路てゆーの。宜しくな、しゅうがここまで俺を運んだんだろ?ありがとうな~、蝉の声聞いてたら頭回んなくなっちゃててさ。助かったよ)

しゅう(あわ、じ。ありがとう、音色、それ)
指を指す方向には3本の針がある。

泡路(痛く、、、、なかった?)

こくり。としゅうが頷く

泡路(良かったぁ~。思いの外お前の音色が見えなくて、ちと不安だったんだけどそれなら良かったよー)

しゅう(針で、ね、音色くれたの?)

泡路(そうそう、この針で音色を付けたの。)

不思議そうに、しゅうが見つめてくる

泡路(説明しろと言われても出来んよ。自分でも何でかわかんねーもん。勘?そんな感じに流せ)

しゅう(無理)

まぁごもっとも。

泡路(だよねー、ははは。はー、、、、。うん、でも本当にわからんとこもあるのよ?ただこの体に付けてる針で特定の場所を角度と入れ具合、本数で※失ったもの、持ってないもの、見つからないもの。見つける事が出来るのよ)

しゅう(いっぱい、ある。)

泡路(うんいっぱいあるよー)
ヒラリと着物の下にはいているズボンをしゅうに見せる。

泡路(色んな太さと長さあるんだけどねー使い方はそれぞれあんのよ。)

しゅう(、、、、)

泡路(そんな何本あんだ?て顔されてもねー、、、、手足と同じ?位はあんじゃないのかなー。)

しゅう(わからないの?)

泡路(わかりませんとも)

しゅう(なんで?)

泡路(うーん。変な話この針減ったりすんのよ、落としちゃたのか何なのか。補充しても必ず減るから、本数数えるのやめちった。体が動きやすいと思ったら補充て感じかね)

しゅう(変)

泡路(変?かなー、でも俺はこれが※普通。なのよね)

しゅう(、、、、、、、、変じゃない。)

泡路(お前はどっちだよーもー)
と言いつつ二人はクスッと笑った。


これから

おこる、、、、

全てを、、、、

理解するまでは。