白無垢に綿帽子、三三九度の盃をかわす。



神主の祝詞が静かな神殿に響く。



私の隣には、凛々しい袴姿の泉さんが立っている。



まさかあんな事があったのに、こんなにトントン拍子に縁談が進んで今日、結婚式までしているなんて、まるで夢の様だ。


式の間中、家の両親がハンカチで何度も目元を押さえているのを見ると、絶対泣かないって思ってたのに少しだけ涙腺が弛んだ。


だけど、バッチリメイクしてるから涙は絶対死守だ!


衝撃のお見合いの後、断られると思っていた泉さんとの縁談は、何故か結婚を前提にとゆう先方の返事で丸く収まった。


あんな所を見られて、かなりばつが悪かったけど、泉さんもあれからその事に触れて来ないので、きっと、私の事がかなり気に入ってくれたんだと思って、深く考え無い事にした。