「この度は、ご登録ありがとうございます。お客様のお望みのハイクラスな相手をご紹介させていただきます。担当の黒木と申します。宜しくお願い致します。」



高級なスーツを嫌味なく綺麗に着こなした男が落ち着いた笑顔を作っている。



「早速ですが、条件を伺わせて頂いても宜しいでしょうか?」



黒木は長年使い込まれたであろう万年筆を胸ポケットから取り出すと何やら書類に書き出している。

さっきから、一々、上品な動作につい目を奪われてしまう。

書き連ねられた文字もとても綺麗だった。



(この人、合格ね。)


職業柄、人の身だしなみや所作がよく目につく。