「起きろって、おい、美鈴!」


「んー…っ」



もう朝?

って…葵のやつ男のくせに朝起きんの早いんだけど。



あたしが呑気にのんびり布団から出ようとして、やっと焦点があったと思ったら目が点になった。



それはスーツ姿の葵がいたから。




「今日って何かあったっけ?」


「は?お前忘れたの?先生の結婚式だろ?!」


「結婚し…き………結婚式?!」




すっかり先生の結婚式が今日なんて忘れてた。


そういえば昨日は葵が結婚式のためにスーツが無いからスーツを買いにデパートに行ったんだ。


あちゃー。


ってか今何時!?

っげ、8時43分!


9時30分には出なきゃ間に合わないって言われてたのに!




「シャワー浴びてくれば?昨日ので汗かいてんだろ。ワンピースは出しといてやるから」


「っき、昨日のでとか言わないでよ!恥ずかしいから」


「事実だからいいじゃん。てか早くシャワー浴びてこいって」




昨日の夜の行事を思い出してしまった。



顔が茹でタコ状態のあたしを無理矢理お風呂場に押し込むと葵は『早くしろよ!』とドアの向こう側で叫んでた。



葵は休みになるとだいたいあたしんちに泊まりに来るから


あたしの洋服がある場所も全て把握出来てる。


葵の第二の家みたいになってる。





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