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禁断のプロポーズ

終章 もうひとつのプロポーズ

 


 キスして離れた智久の許から逃げようとした未咲の手を智久が強引に引く。

「俺は社長の息子かもしれない。

 だとしたら、お前とは叔母と甥だ。

 一緒に鑑定を受けよう。

 俺とも夏目とも他人なのか、そうでないのか」

「智久さん……」

 智久は、ふっと笑い、
「ずっとお前のことは、ペットかなにかだと思ってたんだがな」
と言い出す。

 いや、じゃあ、ペットと結婚しなくてもいいじゃないですか、と思っていた。

「未咲、俺はお前の姉さんを見殺しにした。

 あいつがなにか困っているのを知っていたのに。

 浮気したことが許せなくて。

 でも、あいつが浮気した本当の理由はもしかしたら」
と智久は目を閉じる。

「噂があったんだ。

 お前の母親は、会長とも噂があったが、社長とも噂があった。

 どちらかが本当で、どちらかが嘘なのかもしれない。

 お前の姉貴は、社内に居るうちに、その噂を聞いたのかもしれないな。

 その噂と、俺が本当は社長の子供かもしれないって噂をさ。

 たぶん、俺より詳しく知っている。

 だから、俺から離れたんだ。

 俺たちこそ、兄妹かもしれなかったからだ」

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