ケータイ小説 野いちご

不良にならなきゃ★始まらない?!

☆ 恋したっていいじゃん


「……なあ、いつまでこうしてる気だ?

離れたくねえなら、連れて帰るぞ」


『…へっ?!』


あわわわわ、私、琉聖くんにくっついた

ままだ!!


『ご、ご、ご、ごめんっ!!』


慌てて離れると、琉聖くんは、右の口角

を少しだけ上げてニヤリと笑った。


「さて、帰るか」


号令のような、琉聖くんの一声でみんな

は、のどかな田園の道を、歩き始めた。


あれ、紗夜は?


きゃああー!!捕まってるじゃん!!


『こらあ、紗夜を返せえ!!』

「何だ、テメエのかよ、クソッ」


どさくさに紛れて、紗夜を連れ去ってい

た仲間から必死で取り返すと、みんなは

一斉に笑った。


みんな口が悪いし、冗談なのか本気なの

か、ときどき分からなくなるけど、この

飾らない空気が好き。


それに、いつもみんなの中心で笑ってる

器のデッカイ琉聖くんが、好き。


あれ、私、いい匂い。


これ、琉聖くんの、香水の匂いだよね?

さっきくっついた時に、匂いが移ったん

だ。たったそれだけのことなのに、この

一体感が、何だか嬉しい。


移り香のせいで、さっきのことを思い出

してしまう。背中にそっと回しただけの

琉聖くんの腕が、自然で、心地よくて、

時間を忘れてしまってた。


思い出すと、胸がジーンとする。

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