ひとしきり騒いだ後に、教会の中に集まった4人は話し合いの場を開いていた。

「棺桶の中身、覗いたのかよ!?」

 和己と明美が確認したことを聞いた聖が驚いて、まぁ当たり前の反応を見せる。誰だって棺桶の中など、見たいとは思わないだろう。

「せっかくここまで来て、何も調べないわけにはいかないだろう」

 和己がもっともな理由を述べる。

「そりゃそうだけどさ」

「ここに眠っていたはずの皆は、いったいどこに消えたんだろ」

 言いよどむ聖の隣で、ポツリと独り言のように明美がいう。

 確かに、どこへいったというのだろう? ひょっとして先ほど襲い掛かってきたゾンビたちがそうだったのか? 
 そもそもなぜ人を襲う?
 人はこの世に生まれ、いずれ土に還る。
 親族に見守られ、この世に未練を残すことなく墓に入る人が大半だというのに、そのやすらかなる眠りを妨げるものが―――

 いるとするならば?
 
「あのね……ずっと気になっていたことがあるの。聞いてくれる?」

 ひとみが珍しく、おずおずと話し始めた。