ケータイ小説 野いちご

恋する時間を私に下さい

VOL.7 俺だけの時間

病院から戻ってきて、やたらとこっちを見てる気がする。

…見てると言うより、睨んでるに近いな。
わざと気づかないフリして背中向けてるけど、チクチク刺さるような視線を感じる。

(…なんだ?俺が何かしたのか⁉︎ )


これまでの事を思い起こす。

確かにこれまでは、あいつを散々こき使ってきた。
昨日は不用意にも泣かせてしまったし、その後も大して優しい言葉もかけれてない。

…だけど、俺は俺なりに反省して、甘いチョコレートで鍋を埋め尽くしてみた。
でも、そんなのあいつにとっては、どうでもいい事だったかもしれない。

(……だからって、ここで睨むか…?)

平静を装って振り返った。
一瞬、上体が仰け反り、急いでパソコン画面との睨めっこが始まる。


(…今、絶対にこっちを見てたよな。見てた…と言うより睨んでたよな…)

……一体何故なんだ……。


…あいつの妹の話では、あいつは潔癖性…なんだそうだ。
自分が納得いかないことには、絶対に首を縦に振らない所があるらしい。

(俺の前では、そんなところ見せたこともないような気がするが……)

迫力負けしてるのか…とも思う。
急にこっちの家事を全部押し付けられて、その上、俺の代理役までさせられてたから。

(だから反省して、手の傷が良くなるまでは使うな!と言ったんだが……)

それがマズかったのか?
言い方が酷すぎたか?

(それはないよな。今までも結構ヒドい言い方してきたしな…)

分からずに悩む。その俺に声がかかった。

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