「嫌だ。私そんな遠くになんていかないよ。」




私が中学2年生で幼馴染みの早耶の家に


遊びに行ったとき、ふと聞こえた早耶の声。




「仕方がないの。お父さんの仕事の都合なんだから。」



あきれたように言う、早耶のお母さんの声。




「ひーちゃんは?そんなに遠くに行ったらひーちゃんと会えないじゃん!」





ひーちゃん、早耶がつけてくれた私のあだ名。




「日菜ちゃんにちゃんと話をしておきなさい。」






私は早耶と早耶のお母さんの会話を聞いた時



信じられなくて、ただ、立っていることしか出来なかった。