両親の離婚後、ネグレクトや虐めを受け、自分の存在価値を見出せずにいたサチが一人の少年シュウと出会った。当初、シュウが大嫌いだったサチ。ある日その歌声に心を打たれ徐々に心を開いていく。一方、シュウは心臓の病に侵され、入退院を繰り返す生活を幼少から過ごしていた。両親の深い愛情が重くのしかかり、ずっと自由がない人生から逃げたいと思っていたシュウ。そんな心の闇を抱えた二人は次第に惹かれ合い、共に街を出ることを決めた。二人が頼った先はシュウの叔父の哲二と妻の菜摘。四人での生活が始まると、笑顔溢れた温かい日々に二人は生きる意味を見出していく。そんな時、幸せになるため前に進む二人を襲ったのはシュウの病だった。突然訪れる大切な人との別れを受け入れられないサチに、シュウが夢の中に現れる。初めて言葉で心を通わせた二人。サチはシュウの分まで幸せになる事を決め、再び前へと歩き始めた。