あたしの好きな人。


今はお昼休み。机に座ってパンをかじりながら大きな声で笑って…あ、今また女の子に話しかけた。


誰よりも存在感を放ってる朔(さく)と目が合った。


「おーい、美雨!そのたまご焼きくれよ!」


「やーだねっ」


見せつけるようにたまご焼きを口に入れて口をモグモグさせた。



「あっ!おま…え、ホント性格悪っ」


朔の向こうで笑ってる…


お弁当をお行儀よく食べる彼。


朔とは正反対だけど何故だかいつも一緒にいる。


笑うと頬っぺたにえくぼができてかわいい。

ふわふわした猫っ毛であの髪の毛に触れてみたい。

少しつり目でよく見ると吸い込まれそうなくらいに澄んだ瞳。

女の子と話すのが苦手な…


春岡碧(あお)

この人こそがあたしの好きな人。