「おはよー!また同じクラスだよ!」
「やだー、誰も知ってる人いない」


4月ーー…

季節は真新しい春になった。
掲示板に記された小さな紙にクラス替えがあった二年生だけが食い入るように見ている。



彼と、付き合い始めて既に8ヶ月が経過していた。
あの後、小さな喧嘩はたくさんあったけれど、仲良くやっている。
ナツキも「こんなに続くと思わなかったな」と驚きの声をあげていた。



掲示板はすごい人の数で、自分のクラスが何組なのか見るのが困難だった。
ザワザワする中、私は少し後ろに下がって掲示板前が空くのを待つことにする。


「アヤ、おはよう」
ポンと頭に手が乗る。
「あ、小林くん。おはよう」
彼との恋は順調で、不安も不満も特にはなかった。


「また、小林くんって。
ケイスケって呼べって言ってるじゃん」

彼は私がケイスケと呼ばないことに不満があるようで、口を尖らせて不満をぶつけてくる。


付き合って8ヶ月、
下の名前で呼ぶのは、まだ恥ずかしさが勝っていた。



段々と掲示板から人がいなくなる。
それと同時に私たちは掲示板に足を進めた。