程よく手入れされた、緑の葉の山茶花の群れを、縁側に座ってぼーっと眺めていた。






蝶が葉の周りを忙しなく飛び交っているのを見ると、なんだか和む。





緒方「……。ここでは自由になさって下さい。書物を見るのもよし、門下生に話を聞くのもよし。私でよろしければ、疑問に思ったことを仰って下されば、なんでもお応えしますので……。」




控えめな口調でそう言うと、「では、」といい、静かに麩を閉めると、部屋を後にした。