受験当日に消しゴムを忘れちゃうなんて、バカすぎるよね。



頭の中はパニック寸前。


どうしたらいいのかわからなくて、席でオロオロすることしか出来ない。


どうしよう……。



「良かったら、これ使って」



「え……?」



隣の席から目の前にスッと差し出されたのは、手のひらに乗った消しゴム。



恐る恐る顔を上げると、ストレートの黒髪が綺麗な女の子の姿が見えた。