そうこうしている内に、あっという間に待ち合わせの時間になった。
キヨ君と他愛ない話をしていると、楽しそうに話しながら歩いて来る二人の姿が遠くに見えて胸がチクッと痛む。
「お前ら早くね? 特にキヨ! 俺との待ち合わせの時は、いっつも寝坊して遅れるくせに」
高野くんがふてくされながらキヨ君を見る。
そんな顔もカッコ良くてドキッとした。
「今日はたまたま早く目が覚めたんだよ」
そんな高野くんに動じることなく、涼しげに返すキヨ君。
「鈴峰さん、おはよう」
「あ、お、おはよう」
大石さんがわたしにニコッと微笑んでくれたから、わたしも慌てて笑顔を浮かべる。
だけどやっぱり、大石さんの笑顔は怖かった。
花柄の膝上丈のワンピースにヒールのサンダルを履いた大石さんは、学校の時よりもすごく綺麗で可愛くて。
おまけにスラッとしててスタイルも良いし、ほっそりした腕と足は透き通るほどに真っ白。
高野くんの服装もすごくオシャレで、二人が並ぶとまさに絵に描いたような理想のカップルだった。