それから約一週間。
あれ以来大石さんとの間には何もなく、高野くんと大石さんも一見何事もなさそうに接している。
「清野〜、四組の女子が呼んでる〜!」
教室のドアの近くに座っていた男子が、キヨ君に向かって叫ぶ。
「りょーかい」
わたしの目の前に座っていたキヨ君が、ゆっくり立ち上がってドアの方へ向かった。
気になって見ると、小柄で可愛らしいショートカットの女の子が目を潤ませながら頬を真っ赤に染めていた。
目が大きくてチワワみたいな可愛い女の子は、キヨ君と並ぶとすごくお似合いで。
なんだかモヤモヤする。
キヨ君のことが好きなの……?
だったら、やだな。
キヨ君も……なんで笑顔で話してるの?
わたし以外に親しい女の子はいないと思っていたのに。
ーーズキン
なぜか胸が痛い。
そんなに楽しそうにしないでよ。