ケータイ小説 野いちご

デスサイズ

Episode2 痛み


まだ太陽も登りきらず、人の姿も少ない早朝。

エプロンを着け、片手に大きな袋を持った年若い主婦がゴミ捨て場に向かって歩いている。


ゴミ捨て場に辿り着いた主婦はカラスが袋を漁っている場面を目撃し、嫌悪感を露に睨みつける。

溜め息を吐きながら、近くに落ちていた小石を拾い、投げつけるとカラスはギャアギャアと鳴きながら飛び去って行った。


「全くもう!」

カラスが破った袋から飛び出した生ゴミから強烈な悪臭が立ち込め、空いた片手で鼻を摘まむ。

さっさとゴミを捨てて帰ろうと、ゴミ捨て場に近寄る。


「……!?」

生ゴミの下から伸びている赤黒く染まった動物の腕を見つけ、驚きのあまり言葉を失う。



─まさか



強い胸騒ぎに襲われ、汚れることもいとわずに生ゴミを掻き分けていく。


「っ!!」


露になった動物の姿を見て、尻もちをついてしまう。









「いやあああああああ!! ネネちゃん……ネネちゃんがああぁ!!!!」



掻き分けられた生ゴミの下から出てきたのは、2日間行方不明になっていた愛猫(あいびょう)の、全身を切り刻まれた死骸だった。


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