side 漣


はぁー。めんどくせー 帰りてー
やっぱり来るんじゃなかった
虎汰(こうた)の気まぐれに付き合うべきじゃなかったな

「漣〜?今 俺の悪口言ってなかった?」

「言ってねーよ。」

「嘘〜。俺には聞こえたんだけどなぁ」

「気のせいだろ?」





「はーい!みんなおはよー!今日は転校生が来てるから紹介します」

「え?!♡ 転校生?!男?女?」

一番に食いついた虎汰


「こた。安心しろ 女の子だ」

「漣!漣!聞いたか?女の子だって!♡」

「はいはい。どーせ化粧ケバケバ女だろ?てか、そのハートやめろキモい」

「はっ!酷い〜。分かんねーだろ?めちゃめちゃ可愛かったらどーすんだよ!」



目をキラキラさせてる虎汰

エサを待ってる犬みたい



「ないない」


今までだって 大した奴来てなかったの
こいつ忘れたのか?

「静かにな?じゃあ、紹介するぞー。入ってー」


ガラガラ ーーー



ーーーー っ!


教室に入ってきた女は
今朝 校門前でボサッと立ってた女だった

「え。やば!あの子じゃん!
校門前に居た子!」

やっぱり一番に反応したのは虎汰

「はい!自己紹介」

『武原 莉奈です。よろしくお願いします』