「特にこれといった共通点は無さそうだね。名前も年齢もバラバラ。仕事だってバラバラだ。何で私達5人が選ばれたんだ?」
「んなもん、適当だろ」
哲夫の疑問に面倒臭そうにそう言い捨てる守。
しかしそれに修二が異議を唱える。
「いや、適当でこの5人を選ぶっていうのも可笑しいですよ。何か心当たりがある人とかは?」
「心当たりなんかねぇんだよ、ガキが!」
哲夫の意見に自分より年下の修二が賛同した事が気に食わなかったのだろう。
小さい男。
由里子はそうしらっとした目を守へと向けた。
「まあまあ、そうカッカッせずに落ち着きましょう。取り敢えず、ここに来る前に何をしていたかとかを聞いていくってのでどうかな?」
結局、哲夫が上手く纏めあげた形で収まったのは年の功の成せる業か。
明らかに今、この5人の中で主導権を握っているのは哲夫だ。