上を見上げると、青い空。
屋上の床に座ったまま背伸びして、欠伸を噛み殺した。



『杏、今度俺と勝負だ!』


『はいはい。

今度は何秒もつかな?』


口うるさく私に突っかかってくる将を軽くあしらいながらも、内心喜んでいる私。


だって、最近将が名前で呼んでくれるようになったんだよね。


ここんところ無いぐらい嬉しい変化ですよ。



あー、後。
変化といえばもう一つ。



『……類、まだ寝るの?』


私の言葉に返事も返さず、ずっとひざの上で寝てる類を見て、笑みを浮かべる。


だって、これって信用されてるってことでしょ?

総長ってものは、隙を見せたらダメなはずなのにって、初めの頃は夏が怒ってたし。


今ではもう慣れたのか、夏も何も言わなくなった上に、なぜかニヤニヤしながら私を見てくるんだけど。




『杏ちゃん、新しいお菓子買ってきたよ!』

『僕も〜! 一緒に食べよう?』



『もちろん食べさせていただきます!』



大量のお菓子片手に笑顔でそう言った陽と零に、私も笑いかえしながらそう言う。


最近気づいたこと。
それは、陽と零がものすごくお菓子好きだってこと。



毎日コンビニに行って、新しいお菓子が出たら絶対に買ってくるから、最近じゃ私もお菓子通になって来てるんだよね。



麗華の倉庫には、陽と零用のお菓子のストックが大量に保管されてるのをこの前見たし。