5月23日、所謂今日はキスの日。



いつも相ケ瀬くんのペースだから、この日を使ってあたしから仕掛けてみようと思います。



昼休み。




クラスでサッカー部のみんなとお弁当を食べていたはずなのに、いつの間にかクラスから消えていた彼。



なんとなく思い当たる場所が頭に浮かぶと、すぐに教室を飛び出した。




―図書室



「……失礼しまーす」




重たいドアを開けると独特なにおいで、薄暗かった。




足音を立てないように、中を歩くとテーブルに突っ伏して眠る姿を見つけた。




近くに行くとスース―と気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。




「んー」




彼は寝返りをすると横に顔を向けた。