「おい、佐野〜」


「はい。なんですか?」



「お前今日、日直だから放課後残れ。これ、全部止めといてな!」



「えっ」



教室を出た途端、先生に呼び止められ、そう私に告げた先生は、私にプリントの山とホッチキスを渡し職員室へ戻っていった。



ちょっと待って!



この量を1人で?!



…先生、生徒は雑用係じゃないんです!!


喉まで出かけたその言葉を飲み込んで、とりあえず教室に入る。


作業を進めていると、教室にはもう自分1人。


美緒は彼氏とこの後デートだって言ってたし…。


デートか…。



「いいなぁ……」



「なにが?」



「デートがね……っ井波くん?!」