翌日から私と緑間くんが付き合っていると、かなりの範囲で噂が広がってしまった。
もちろん、女生徒は彼には真相を聞こうとはしない。
近付くな、訊くな、そういうオーラで周りを寄せ付けようとはしない。

そのため、私に群がってくる女の子は絶えなかった。
どうやって落としたのか、どうやって付き合ったのか、なんで斉藤さんは緑間くんだったのか。
何人もの質問攻めに、いい加減飽き飽きしている頃だった。

そんなとき、青峰くんが助けてくれた。

「お前ら人の恋愛にグチグチ言ってんじゃねぇーよ」と。

「質問攻めしてくる奴はなんだ。緑間に惚れてたけど近づけなかった奴らか?」

「……いや、違うけど……」

女の子たちはそう言う。

「じゃあ、放っておいてやれよ。二人とも今からが本番なんだ。ったく、そんなんもわかんねぇーのか。女子はよー」

青峰くんが呆れたように大きく溜息を吐いた。

「もー、大ちゃんってば……」

さつきは、青峰くんの気持ちは分かるけど、言い方が悪いよ。という顔をしていた。

いや、青峰くんの言うとおり。
私たちはこれからだ。

「ごめんね、みちる……」

女の子たちは一応納得して、群がるのをやめてくれた。
こうなる事は……何となく分かっていた。
勉強とバスケにしか興味ない顔して、恋愛も出来るんだってきっと周りは驚きしかないのだろう。

仕方ないこと、仕方ないこと……。