夏 side
「…………………まだ、言うときじゃないかな」
みずなはそう言って俺の手を払い、部屋を出て行った。
最初見た時から、こいつはなにかあるってことはわかってた。
女だってのもわかってた。
男にしては声が高ぇし、身長もない。
でもなにより、女や男ってことより、
目が………瞳が。
暗かった。黒かった。
そのことが、みずなに興味を持った一番のきっかけだった。
ケータイ小説 野いちご
夜ー闇に隠された瞳の奥ー
偽りのカウントダウン
夏 side
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