「なっち、おはよーう!」


「おお〜!おはよう!」


私は金内夏樹(かねうちなつき)
現在中学2年生
え?高校生の話だと思ったって?
また後々に出てくるよ


「今日も朝からなっち元気やな〜」

「元気ではないけどね〜」


空元気?ってやつ。
だって陰気じゃ誰も近寄らないじゃん。
現に中1の時陰気で女子すら近づいて来なかった。


私達の学校は田舎にある。
ふたつの小学校が中学校になると統合されるんだ〜。
全学年1クラス平均20人ほど。




小5の時に合宿を行い1週間寝起きを共にする。中学校になるまでに仲良くなるためだ。


その時も私はあまり慣れずに困っていた。


そして中1でもそのまま人見知りが続いてしまった、ということです。


それから他の小学校の女子が3人順番に転校して行き、後2人しか居なくなった頃が丁度中2の時。私と同じ小学校の女子は、5人全員いた。



その時から私は変に開花したの。


「…ち…っち!なっち!」

「…んえ?あ、ああ!ごめんね!」

「本当たまにぼーっとしてるよね笑」


またそう言って違う話を始めた。
正直聞いてられない、話し合わないからさ…
けどこの田舎の中学の中で話し合う人なんて、早々居るわけないから諦めてる。


「んでね、このStarGanがね…」


ほらまた始まった。
自分が好きな歌手の話、私は全く分からない。
そして急に話が変わる。


「なっち!彼氏できてん!」

「おお!おめでとう!…誰?」


興味がないけど聞いておく。
そうした方が相手が盛り上がるから。


「馬渕大聖(まぶちたいせい)片想いが、やっと叶った!」

「言ってたね〜好き好き〜かっこいい〜って」


結構こう見えてこの子は一途。
名前は笹原夏恋(ささはらかれん)、この学年の中では美少女…なのかな。
私は違うと思うけど、結構男の子が気にしてるのは確か。


「そう!…でね、なんかさうちの幼馴染の片山春馬(かたやまはるま)がさ夏樹の連絡先欲しいっていうの、教えても良いかな?」


…誰それ、片山春馬?
男の子とは同じ小学校の子としか喋らないから、分からない。


「誰か分からないけど、別に良いよ」

「ありがとうね!」


彼女は私に明るい笑顔でそう答えた…





ここから、今の私が知る事もない未来が動き始めていた事を当然ながら分からなかったのだーーーーー