くそっ。
うるせーんだよ、あの先生!
帰るのが1時間も遅くなった…っ。
怒りにまみれながらも早足で廊下を歩く。
本当は走りたいけど、また先生に見つかって怒られたらたまったもんじゃないからな。
はぁ、とため息をつきながら音楽室の前を通りすぎようとしたとき。
「~゛~~゛♪」
誰かの声。
女の子の歌っている声だ…。
かすれてるけどすごく綺麗な透き通る声。
俺は自然に足を止めていた。
「~゛~~゛…… ?すると歌の途中で声が切た。
そしてキュッキュッと内ズックが床と擦る音がこちらに向かってきた。