ピリリ……。

「……ん」

ゆっくり目を開けると、そこはいつもの自分の部屋だった。

窓から明かりが射し込んでいる。

もう朝だ……。

詩音は目をこすりながら、ゆっくりと体を起こした。

枕元の目覚まし時計は午前6時を指している。

たしか、設定は6時半にしてたはずなのに。

30分も早く起きてしまった。

「でも、なにか音がして……」

詩音の目に入ってきたのは、机の上に置いてあるバイブで振動する自分の携帯電話。

それはメールではなく、電話の着信。

その音で目が覚めたのか。

詩音はベッドから抜け出し、携帯電話を手に取った。

画面には、葵の電話番号。