「こっち、こっちだよっ!」


 今日1日で、『あ』と打つことに関して、オレは『スペシャリスト』になれるだろうな。


「分かった、今行く!」


 晴れてオレ達が『チェックポイント1』を通過した頃、『マモル』達は『チェックポイント4』を通過していた。


 残り時刻は『7時間30分』


 『作業開始』から40分が経過していた。


 正解の通路に挟まれた場合に、雷也へ送ったメッセージに対する『既読』が、『1秒』ピッタリでつく。


 不正解の場合には、必ず『7秒』後に既読がついた。


 雷也は携帯電話の『モバイバル』アプリをずっと立ち上げて、オレ達のメッセージを受信し続けている。

 
 この最終戦のお題目は『白い部屋』という名前の迷路だが、迷路なんかじゃない。


 その正体は『電波仕掛けの通路探し』だ。『携帯迷宮』とでも名づけようか。