「花――っ!!
早くしろ――っ!!
置いてくぞ――っ!?」



ウチの玄関で、幼なじみの星(しょう)ちゃんが叫んでいる。



「待って~。
星ちゃん。
置いていかないで~!!」



あたしは急いで制服のリボンをつけて、玄関に走った。



「行くぞ、花っ!!
……って、おまえ、カバンは!?」



「あぁ――っ!
忘れた――っ!!」