ななみと私は、学校から駅までの坂を降りている。

ブレザー姿のななみと、

夏服に半袖の私。

ある意味デコボココンビでちょっと笑える。

「どうしたの?」

ふと、ななみに訊かれる。

「何でもないよ?」

前から日が照って、まぶしい。

こんな毎日も、

ありきたりな毎日も、

あるだけ幸せだろう。

16歳の誕生日に、

痛いくらいに痛感した。

後ろに伸びる私たちの影が、

たぶん、笑った。