ーーーいいか、誰にも琥珀を渡したりしてはいかんよ

5年前、重い病気で倒れたおじいちゃんは、息を引き取る間際にそんな言葉を残した。


『これからずっと、お前が琥珀の面倒をみてやってくれ』

『じゃが、もし万が一ー、琥珀から離れるようなことになってしまったらーーー』


『お前の手で琥珀を処分してやってくれ』




ー…処分なんて、絶対にそんなことはしない。

売ることも、誰かに預けたりだってすることもない。

私はずっと、琥珀と一緒にいるつもりなのだから。