けたたましく鳴る目覚ましの音で眼を覚ましたのは妻だった。

「なんなの?やかましい、こんな時間に起きるなら別の部屋で寝てよ」

目覚ましにしては強烈な一言で俺も眼を覚ました。

妻と出会ったのは6年前。大恋愛というわけでは無かった。彼氏がいる当時の彼女をなんとか自分のモノにしようと言った出任せのようなプロポーズ。それが現実のものとなっただけだ。

いっしょに暮らし始めた時に気付いてしまった違和感は結婚して日々を過ごす中で大きくなってしまった。
風邪をひいたのを放っておいたら悪化した。そんなふうに考えて貰ってかまわない。

意見がことごとく反対。趣味嗜好が違う。ましてやおもしろいと思う慣性も全く違うというのだから、大変だ。

「4時?あなた昨日寝たのおそくなかった?」

しまった、寝るときにしっかり寝付いているのを確認して布団に潜り込んだつもりだったのだがばれていたようだ。
0時が回ったころに就寝したと伝えると、大きな溜息とともに

「子どもじゃ無いんだからさ・・・」

妻の言うことはもっともかもしれない、しかし休みの日も休まずに犬の散歩をし、買い物に出かけ、文句も言わず食事をつくり掃除をしている。
そんな日常の一環にゲームという趣味を見つけたのがそんなにいけないことなのだろうか。
いまいち釈然としない顔をしてしまったのだろう。妻の表情がさらに曇る

「はあ・・・寝るね」

そうしてくれた方が静かに準備ができると思ったが、今度は表情に出すことはなく、おやすみとだけ発した。