「玲ちゃん玲ちゃん!明後日ね、拓也君とデートすることになったの!」

「あ、美桜。良かったね。明日寝坊しちゃだめよ?」

私は坂之上高校の三年生。東上玲。
この今ピョンピョン跳ねている子は水上美桜。
茶色混じりのふわふわボブに、クリンとした目。
正確も良いし、男女問わず人気。

私はこの子の親友で、黒髪ストレート。性格もキッツいとか言われてるけど、なんとか美桜の隣にいるから生き延びてるって感じ。
なんか、少女マンガでよくある、主人公を支える友達みたいな役割。

美桜はこの『拓也君』が大好きで、いつも目をハートにして見つめてる。
それなのに、告白が絶えないのは、美桜が分け隔てなくネクラにも、オタクにも接するから。

「でね、デートに着ていく服がないんだけど…」

んー。明日は一人で買い物行きたかったんだけどな…。今日は無理だしな。
でも、断ったら無理して笑うんだろうな。それは…嫌だ。

「じゃ、明日買いに行く?」

「うんっ!ありがとう!玲ちゃんセンス良いから頼りになるよ〜」

「じゃあね。今日は用事があって一緒に帰れないの。ごめんね?」

「いいよいいよ!じゃあ、また明日〜」