翌朝(と言ってももうほぼお昼)、弘さんに起こされたあたしは万屋の食卓で朝食を戴くことに。


『何か、泊めてもらった上に朝食までご馳走になっちゃって…申し訳ないっス…。』

「全然良いよ。それに菜子ちゃん凄い大変みたいだし…。」


そう。さっき弘さんにもあたしの事情を説明した。

弘さんはそりゃもう驚いてた。あれを正に、『鳩が豆鉄砲食らったような顔』と言うんだろう。


「でも、三人でご飯なんて久しぶりだなぁ〜。ね、輝??」

『久しぶりってことは、この家には二人以外に誰か居たんですか??』

「んー…。何つーか、たま〜に面倒見てやる感じだな。今でも4、5日に一回は顔出しに来るぞ。でも最近メシは一緒に食ってねぇな。」

「今日そういえば5日目だね。もしかしたら今日辺り来るんじゃないかな??」

「前受けた依頼の中で知り合ったヤツなんだ。今時にしてはちょいと珍しいヤツでな。世間知らずってゆーか…。あいつはひょっこり来たかと思うといつの間にかまたどっか出かけて行っちまう。何つーか、猫みたいなヤツだな。」

『猫…ですか??』

「まぁ今はポチ公の世話も増えちまったし、猫が手掛かんないのは助かるがな。」

『ふーん…。ん??…って!!!!何でポチ公ネタ知ってるんですか!!!!昨日聞いてたんですか?!聞いてたんですね??!!も〜〜〜〜!!!!!!』

「ああ、なかなかのスベリ具合だったなお前。」


フッと馬鹿にしたように笑っている輝さん。
輝さんヒドイやい!!!!

くっそやっぱり昨日のは思い過しなんかじゃなかったんだ―――!!!!