皆藤はブルーシートに覆われた遺体に目をやった。

正直。遺体は苦手だ。
人の死に顔なんてみたくもない。

しかし、職業柄そういうわけにもいかない。

「皆藤刑事」

皆藤が加えていたタバコを素早くとったのは、新人の相棒である富山だ。

いつも冷静で無口。キリッとした目付きはまるで人を寄せ付けない。