ついに、俺になった花音が学校に登校することになった。


俺はこの2ヶ月、器用にやり過ごして来たが、コイツはどうなんだろう。


「おい、花音。お前が学校へ行ったら、おそらく恵介が飛んで来るはずだ。

いいか?ボロ出すんじゃねーぞ」


「そ、そんなこと言ったって、緊張するよ~」


確かにやべぇよな。


すげー心配だ。


花音とふたりで教室に入ると、みんなの視線が一気に俺の姿になった花音に向かった。


「立花。お前、目が覚めたのかー?」


「良かったなあ」


駆け寄って来るクラスメイト達。


こんなふうに出迎えてもらえると、なんだか胸が熱くなるな。


「海司っ」


聞き慣れた声に振り返ると、ドアのそばに恵介が立っていた。


そして急いで走って来ると、俺の姿になった花音にガバッと抱きついた。


思わずギョッとする俺。


「待ってたよー海司っ。目が覚めて良かったなあ」


熱い抱擁。


さすがにこれには花音もビビッてんな。


無理もねぇか。


憧れの相手だし。