翌朝私は初めて遅刻した

今日はお母さんとお父さんが旅行に行って家は私独りだった

湊くんも一昨日の誕生日から一度も会っていなく、送り迎えもなかった

一応部活で送り迎えが出来ないとメールが来ていたが私を避けているみたいだ




一限目がもう終わりそうな時間帯で
私は急いで自転車を使い、学校へ向かっ





校舎に入ると一限が終わるチャイムが鳴り響いていた


リサにからかわれそうだなぁと思いながら
教室のドアを開けた




「おはよ~っ寝坊しちゃった!」


そう言いながらリサの方へ行くと
リサの周りには女子数人がたむろっていた




「?リサ…?」




皆が一斉に私を見る

顔をしかめて攻撃的な視線だ





一体何があったの…?





「茜…これ、どういうこと?」





リサの手に持たれているのは
リサが昨日湊くんに渡した白いマフラーだった





けど昨日は全く違い、ハサミで切り刻んだようにボロボロだった




「こっ…これ、どうしたの?!」

「とぼけないでよっっ!!」



バンッと私にマフラーを投げつけてきた リサは泣いて目が赤くなっていた




「これ、茜の机の中にあったんだよ…」


「?!!」




あまりにも突然な事に声が出なかった

何で私の机に…?




「朝、茜に借りたノートを返そうと思って机を見たら…これが押し込まれてたんだよ」



私は投げつけられたマフラーを見つめた



「聞いたよ蒼生先輩から…今まで使ってたマフラーって茜があげたんでしょ?    私のマフラーに替えられるのが嫌だったんでしょ!」


「そんな…っ」


「蒼生先輩、昨日マフラーを学校に置いてってしまって朝みたら無かったって…」



完全にリサは私を疑っている




「違っ…知らないっ!私じゃないよ!」





「茜、ほんとは蒼生先輩の事好きだったんでしょ。」


リサの一言に私は目を見開いた


「何言ってるの?そんな訳ないでしょ!今までだってリサの事応援してたし…」


「うそ!何時も湊くん、湊くんって…
登下校だって付きっきりにさせて!本当は私が蒼生先輩に憧れてること、嘲笑ってたんでしょ?!」



興奮しきったリサを周りの女子達がなだめた



「茜酷くない?いくらなんでもやり方が汚いよ。」

「親友裏切るとか最低。」




人気者のリサには味方が沢山いた



「ほんとに知らないって!おねがいっ…



キーンコーンカーンコーン

「おーい席つけー!授業はじめるぞ!」




チャイムと先生の声に邪魔され
誤解は解けなかった

後ろに座るリサが気になって生きた心地がしない





一体誰が私をはめたの…?