「夏目くん」


「また、あんた?」


私はあれからと言うもの、時間があれば夏目くんのクラスに顔を出す様になった。


私が知らない顔があるなら、私から知ればいいって思ったから。


「夏目くんが、好きになってくれるまで来るよ」


「無いよ。絶対にならない」


う、即答ですか……。


少しは悩んでくれてもいいじゃんか。


けれど、事実、夏目くんはあれから何ひとつ変わらない。


私には、笑った顔すら見せてはくれない。