ーー


そして、休みが明けた。

今日は悠と別れてはじめての学校。


「おはよー」

「おー、知奈おはーっす」


いつも遅く起きるゆっちゃんが、あの低血圧のゆっちゃんが今日は珍しく早めに学校に来ていた。


そしてすぐナミも来て、いつものように担任が来るまでの間、他愛ない話で盛り上がる。

だけどね、わたし、まだ二人に言ってないことがあるの。



「あのね」

「ん?どした」



ふたりにまだ話せていなかった事実。



それは


「わたし……悠と別れたんだ」



長年付き合っていた悠と別れを告げたこと。

また浮気を目撃して、もう限界なんだと言ったこと。


そうして別れた事情を話していくと

うんうんと二人は優しく相槌を打ってくれた。



「ーーでもさ」とゆっちゃん。

彼女はいきなり顔を歪ませた。


洞察力の優れた彼女のことだから

なんだか嫌な予感がする。




「別れたにしては、落ち込んでないね」

「……」

思いがけない言葉に、ギクりっていう効果音がつきそうなくらいドキッとした。


そこを見逃さないゆっちゃん。

つかさず眉をピクリと動かした。


「うーん、なんだか男の匂いがしますね」

「しますね」


誇らしげに、怪しく笑う二人。

どこかで悪徳商法でもしていそうな顔をしている。



「……いいことありましたね」

「ありましたね」




ここここ、怖い。