俺は実緒の小さい頃のことを思い出していた。

両親を亡くして、うちに来たころは俺が16歳のころだった。

人見知りが激しくて、肺炎で入院していた時注射や点滴が大っ嫌いでいつも泣いていたよなー・

そんな実緒を元気にしたくて、医者になろうと決めたんだ。

和也は、まだ小学生だったから、学校から帰るといつも、一緒に遊んでたんだ。

そんな二人が羨ましくて、どうして自分だけこんなに年が離れているんだろうと悔しかった。

当然、実緒も和也になついていたし、いつの間にか優しいお兄ちゃんになってしまっていたんだよな。

俺は、いつも勉強に追われていたから、あんまり相手をしてあげられなかったけど、そばにいる時は静かに
絵本を見たり、お絵かきしたり・・。

夜中に淋しくなると俺のベッドに潜り込んで来たよな・・・。

和也は寝相が悪いからって、これだけは勝ったと思って嬉しかったな。

さて、これからどうしたものか・・・。