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「どうするの」


「何が」


「……獅子王様の事よ」


「幸い、器は2つとも同じ集団で行動している。焦る必要はない」


「……あの妙な子どももいないし」


「油断はしない方がいいですよ」





紺色と朱色の男女は、黒く濁った湖らしき場所を見下ろせる大木の枝の上にいた



男は立ち、女は座っている。



そんな彼らの下から、別の人物の声がした



男はやって来た人物を見る事なく、



「……アクアか」



と、呟いた



アクアと呼ばれた男は、クツクツと笑い手元にあった紙束を見る




「手に入れた情報によれば、彼は………いや、彼女はと言った方がいいのかな?」


「え、あれ女だったの?」


「みたいですよ?」


「そんな事はどうでもいい。サッサと話せ、アクア」


「はいはい、ウサメワはせっかちなんだから」