今、私遥香は新撰組三番隊隊長の斎藤一さんと屯所の廊下を歩いています。
何故、斎藤さんと歩いているのかというとこれから過ごす私専用の部屋に案内してもらっているところです。
萌は平助くんに案内してもらっていて、茉美は原田さんに…梨奈は沖田さんに案内してもらっている。
梨奈は沖田さんの小姓だから隣の部屋ということになった。
梨奈は「やったぁ!」と言いながら萌の背中を叩いていた。
そのせいで傷口が開いたらしい。
だから萌は平助くんに肩を貸してもらいながら部屋に向かっていた。
梨奈……申し訳なさそうに萌の背中を見ていたな…。
斎「…………………………。」
遥「………………。」
思えばさっきからずっと沈黙だ。
遥(やっぱり沈黙ちゃんは辛いな…。何か喋らないとな…。」
斎「大野…。」
遥「は、はい?」
先に話しかけられちゃった…。
斎「その…さっきはすまないことをした…。」
遥「え?私、斎藤さんに何かされましたっけ?」
遥「……あ。……」
斎藤さんだったんだ…。
私、それどころじゃなかったからそのこと全然気にしてなかったな…。
遥「全然気にしてないので、大丈夫ですよ。」
斎「……本当に……すまなかった」
遥「もう…謝らないでください!私は大丈夫ですから!」
斎「……だが…」
遥「これから一緒に住むんです。『ごめんなさい』ではなく『よろしくお願いします』って言ってくださいよ!」
斎「よろしく…頼む……」
遥「はい!よろしくです!」
私は、斎藤さんに笑みを見せた。
斎藤さんは私の笑みを見て、安心したかのように少し顔を和らげた。