コツコツコツコツ……



千草の後ろに、二人は固い動きで歩く。


永遠はさっきまでの頭の中でじっくりと思い出した。







「軍人とすれ違ったら、軽くお辞儀をしてください。…そうすれば、まず疑われる事はありません…」


「…声は…?」


「決して出さないで下さい。厄介な奴に会うと、疑われる可能性がでますので…お辞儀だけしてください。」


そう言うと、千草は二人に小柄な銃を渡した。



「………え…?」


「軍人は全員持ってます。万が一、捕まりそうになった時はこれで抵抗しても構いません。」



二人は銃を握りしめると、千草を見た。


「……はい…ありがとうございます…」


「…あ、後…私の事ば千草゙と呼んでください。…゙さん゙はいらないです…」

「…でも…そんな大人の人を呼び捨てなんて…」


千草はそれを聞くと、クスクスと笑った。




「…私…まだ大人じゃありませんよ?19です」