「はぁはぁはぁ…死ぬかと思った…」

「誰…行きの方がゆるいとか言ったの…」

「修子ちゃんで〜す…大丈夫ですか?山形さん」

青白い照明がともる地下5階フロアの、ほぼ中央に勢い良く放り出された僕らは、床に転がってドキドキがおさまるのを待った。

ハル君の手が差し出され、何とか立ち上がる…

絶叫マシーンが得意とか、もう言わない事にしよう…

自分よりも余裕がありそうなハル君を見て、ちょっと反省しつつ、時間を聞いてみた。

「え〜っと、6分切ってますね〜すごいな〜」

「確かに…」

水圧を見事に利用したシステムだ…が、人に使っていい品物なのかどうかはアヤシイ…

緊急事態でもない限り、遠慮したいものだ…

「じゃ、行きますか〜」

ハル君は穏やかに笑うと、見取り図を手にした。

その地図は防水加工がされ、水の中でもへっちゃらだ。

「OK〜いざ、下見へ〜♪」

二人で勢い良く腕を上げると、とりあえず上を目指して、らせん階段を上がって行った。