その日の昼休み。

「はあ…」

つぐみ姉ちゃん手作りのお弁当も口に入れられないくらい、あたしは落ち込んでいた。

「どうしたの?

真里ちゃん、顔色悪いよ?」

あたしを心配して聞いてきたのは、ツーサイドアップの髪型がよく似合っている橋本茉莉(ハシモトマツリ)ちゃんだ。

彼女とは1年生の時からの友達だ。

「らしくないなあ。

一体何があったと言うんだ?」

腰まで伸ばした黒髪がキレイなのは、白鳥百花(シラトリモモカ)ちゃんだ。

彼女とは中学生時代からの友達だ。

「歴史上から抹消して欲しい大事件が起こったの~」

ベソかく寸前のあたしに、
「はあ?」

「何それ、どう言うこと?」

2人が同時に聞き返した。